1980年代フィットネス全盛期より多くのエクササイズインストラクターの育成とダンススタジオの委託運営に携わり、あらゆるボディーワークのプログラムを研究して、数万人にも及ぶ現場指導の成果から、骨盤と骨格筋の調整により即効的に姿形のバランスを改善できる「立花メソッド」を考案する。2003年より、六本木ヒルズに「プライベートサロン」を開設。2012年より骨盤メソッドの指導者を普及することを目的とした「一般社団法人日本ピルビスワーク協会」代表理事に就任、全国で精力的なセミナー活動を行いピルビスワーク講師の育成に力を注いでいる。著書に「産後の骨盤レッスン」大泉書店「骨盤呼吸ダイエット」河出書房 他多数

Midori Tachibana

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立花 みどり
たちばな みどり

一般社団法人日本ピルビスワーク協会 代表理事

有限会社ボディーレボリューション

ピルビスワーク・骨育プログラム創始者

 羊水で守られていた胎児は出生した瞬間から重力の洗礼を受けて、反射的な動きや粗大運動を行うことで、脳への神経系のフィードバックが起こり、脳の神経回路が目覚しく発達します。

脳の神経回路を一番増やす乳幼児期に、体と脳をつなぐ背骨の形成と、柔軟性を発達させる育児法(からだの育て方)を特に母親や育児者が実践することで、

幼児が自立歩行をする時に

頭を上に維持した、骨盤のコントロールによる正しい姿勢と歩行が

潜在的な能力として身につけることを目的としています。

 

 小学生の腰痛や肩こりの原因は姿勢の悪さにあること、子供のコミュニケーション力の欠如や、体力気力の低下も社会問題になりつつある今、一番必要なコーディネーショントレーニングは乳幼児から骨盤の可動性を高めることではないでしょうか?

 乳幼児の首座り期から、はいはい期が背骨のS字カーブが形成される重要な時期であると同時に脳での神経系の発達も活発な時期であるため、手足の末端の運動器への刺激や背骨の育成は知育や母子間の信頼関係の基本を形成するにも良い影響が期待できます。

 将来的には幼児の姿勢指導にも展開を広めて、全国の教育機関、スポーツクラブ、プロスポーツの現場でも採用されることにより、一生涯に影響する、動きのセンスが良く、身のこなしや判断力の良い、何より怪我がなく、メンタルの強い身体性(コーディネーション能力が高い)を乳幼児期に潜在層に取り入れる時代を目指します。

 さらに、知育・学力と運動の関連性に姿勢や歩行の重要性を加えて、どんな運動も上手にできる動きの素が姿勢にあること、体力的精神的な成長とともに運脳神経を育てる要も姿勢にあることを広く普及して行くことが未来に向けて大事だと考えます。

 

​きっかけは娘の姿勢の悪さ

 娘が小学生の頃、食べる姿勢が悪い事が気になりました。「顔から食べに行かない!」と何度注意しても、口から茶碗に近づいていく。加えて背中を丸めて椅子に寄り掛かる姿勢も、本人には何ら気にならない自然なからだの使い方のように知らぬ間に身に付いていた様子でした。

 この自然なからだの使い方は、いつ頃身についたのだろう…恐らく、乳幼児期の生活様式の中で無意識な習慣によってなのだろう、乳幼児期に身についた事は生涯に渡りからだと心に影響するのであれば、乳幼児期に誰もが実践すべきからだへの育児方法は何だろう…と試行錯誤が始まりました。

 娘を産んだ時代は、エクササイズのインストラクターとして、毎日エクササイズ中の体の動きと体力の育て方の指導を生業にしていた私でしたが、日常の身体の使い方こそ、人の真の健康の在り方と、考え方、生き方に通じると言う事までは知りませんでした。

 

​上達を促す3つのポイント

 当時はエクササイズの開拓には夢中でも、娘の姿勢には無頓着な私でしたが、生徒さんの中の上達が早い人とそうで無い人の差は運動中の姿勢の良し悪しにある事には気がついていました。そこで運動時の姿勢の良さを指導することに重きを置いて、指導のポイントを絞りました。

  • 身体の中心を意識する事 

  • 背骨をまっすぐに整えて、頭を真上に維持する事

  • 着地する足は股関節の真下に踏む事

 このポイントを意識して動くことのできる人は、音楽に合わせたリズミカルな動きが順調に上達するようでした。

 特に私はリズミカルな動きを促す時は、必ず呼吸のタイミングを合図していました。息を吐くタイミングに合わせて掛け声を入れたのです

子供のクラスでも上達するために

  • 姿勢の意識

  • 呼吸のタイミング

  • 足の着地

 この3つに集中してもらうと、体力だけでなく、気力や体調にも良い効果があるようでした

頭を上げた姿勢や息を吐く意識は、人を明るく元気にして、動きや行動が軽快になり、集中力や聞き分けも良くなり、クラスも進めやすくなりました。

 

 

​姿勢や動きをコントロールする骨盤

 このような経緯から、姿勢や動きをコントロールするには「骨盤」が重要な働きをしているとして、骨盤の働きや骨盤の動きに焦点を当てた運動方法や身体のコントロール方法に目を向け始めました。

 とは言うものの、当時の私のコンプレックスは骨盤が狭く、足が開かない事でした。姿勢が良いと良く言われましたが実際には猫背でO脚なスタイルでした。強度の強いエクササイズも多い時代でしたので、脚や足にはからだの重さの何倍もの負担が掛かるので、脚が歪み、姿勢が崩れる事も問題でした。

 人間の全体重を支える足裏の負担を軽くするために骨盤は役割を持っている事は既に知っていましたので、なおさら骨盤の動きを上達させる体操の指導に力を入れていきました。

 学びの第一歩は著名なカイロプラクティックのDr.の理論に始まりました、この理論に面白さと興味を深めて、立て続けに仙骨理論、タオの内蔵訓練法、野口式整体や操体法、キネシオロジーやボディーワークなどの考え方を手本として、「ピルビスワーク」と名付けた当時には無かった「骨盤体操」と身体の使い方を体系化しました。

ピルビスワークは・・・

  • 即効的に体型が均整化する

  • 肩こりや腰痛が軽減する

  • 姿勢や動きが良くなる

  • 気持ちが良くなる 

 などの成果が参加者の共感を呼び、トータルビューティーの有料プログラムとしてスポーツジムで開催していましたが、骨盤の歪みを調整してから姿勢や歩き方まで習えるレッスンが当時は珍しく、徐々に女性誌に取り上げられ、単行本の依頼やテレビ出演まで。気がつけばあっという間に世の中は「骨盤」ブームになって行きました。

​呼吸と姿勢の関連性

 それでも、骨盤理論は学術的に研究発表されている分野では無く、相変わらず暗中模索の日々でしたが、ある時、年頃に成長した娘の、隙歯の矯正について調べていた時に、口腔外科医の西原克成先生の鼻呼吸に関する記事に興味を持ちました。

  • 口呼吸と身体の歪み

  • 口呼吸と免疫力の関係

  • 口呼吸と顔立ちの関係

  • 口呼吸と姿勢の関係

 人類が両生類から呼吸機能が発達して二足歩行になる進化の過程は、直立した姿勢にばかり目を向けていた私にとっては目から鱗な学問でした

 この頃、娘の決して誉められない姿勢と歩き方にはますます口うるさくなっていましたが、何度言っても姿勢が良くならないのはなぜなのか?に関心が深まる中、娘の歯並びも口呼吸や姿勢が影響していると理解できたので、直ぐに娘に西原先生の治療を受けさせながら、私はさらに骨盤と呼吸、特に舌の使い方や舌の筋肉を鍛える事の重要性まで気づくことが出来ました。

 この時期には私独自の骨盤理論が確立して、多くの方の美容法として。また健康増進をかなえる数々のプログラムとしてご提供していましたが、運動であれ、体の使い方であっても、「人の身体と動きの質は、3層構造になっている人間の体軸を仕切っている3つの膜が呼吸と関連してどのように収縮しているか」が影響していると考えています。

簡単にまとめると

〇骨盤底筋膜・横隔膜・咽頭膜が、骨盤・胸郭・頭蓋骨のそれぞれの下に

 あり、姿勢保持機構として、呼吸器官として働きを持ち、正しい姿勢と

 動きをかなえる 体軸を形成している。

〇人は姿勢や動きを起こすたびに、骨盤と背骨は前後に湾曲して、

 体にかかる圧力を逃がし、膜を収縮させながら全身で呼吸し、動きを

 スムーズにしている。

 

〇膜を連動させる動きを上達させる事で身体の働き全体が活性化する。

​足の状態と舌の位置が姿勢と呼吸に影響する

 さらに骨盤下の骨盤底筋の収縮には足裏、足指が関係していて、足の状態が姿勢や呼吸に関係している事、口呼吸は舌の位置異常が原因である事歯科医の西川岳儀先生のご著書から知る事と成りました。

 口腔機能は横隔膜(呼吸)と舌位(舌の位置)と足底接地(足が地面と接触する箇所)が重要である。と言う西川先生のご指導は、長く骨盤の機能性を高める事の重要性にこだわって来た私が非常に共鳴する内容でした。

 頭が大きくて重い東洋人は、頭部を前に傾けて、肩をすぼめ背中を丸くする、骨盤後傾の骨格の特徴があります。

 骨盤が後傾した猫背姿勢は、踵側に体重が偏りやすく、つま先が浮いている(地面を押さない)歩き方になります、さらに頭部が前に下がる事で、口を開ける筋肉(開口筋) が優位に働き、口呼吸になります骨盤や背骨が前湾後湾に拮抗しない呼吸は浅く体内の体液や酸素の流れも鈍くなるので、体全体が不活発な傾向になります

 そこに外的因子である靴下や合わない靴が加わることで、さらに呼吸を浅くしてしまい、免疫力や基本的な筋力や柔軟性にも悪い影響が起こります。

幼児が転んだ時に顔に怪我をするのも全身が連動した動きや足指を伸ばすことの重要性を感じさせてくれます

▲図の右側が猫背の状態

 幼児期には食事の介助をする大人の都合に合わせて、幼児の足がブラブラしてしまう椅子に座るのも問題です。

 食べるとき、排せつするときはしっかりと地面に足をつけることが大切です。

  家では裸足で生活し、さらに足裏や足の指を毎日良く刺激して、自立歩行が始まってからは、足に合った靴を選ぶことも大切です、お兄ちゃんのお下がりはやめて、靴のかかとの偏りや歩き癖には特に注意が必要です。

 近年では高齢者だけでなく、若年者の中にも誤飲や嚥下障害に関わる事故、尿漏れまでも、足裏でしっかり地面を押せていない姿勢の悪さに伴った、膜の収縮の緩さが影響してのことと懸念しています。


 舌は上あごについているべきなのですが、口呼吸の方は舌の位置が上あごにはつかず下がってしまうんです。舌の位置が正常でないと、歯並びにも影響します医学博士の西原先生の治療の中に、口をテープで留める鼻呼吸の練習方法があります。私も毎日実践して、その成果を実感している一人です。

 人は呼吸だけを司る器官を持っていないので、鼻の構造は特に大事になります。鼻毛はフィルターの役割をし、直接細菌やウイルスが体内に入らない役割をして、さらに奥にある2つのフィルターで適度な湿気と温度が加えられた空気が体内に送り込まれています。口呼吸の場合はダイレクトに体内に入ってくるので体温も低くめで免疫力の低下にもつながります。

  乳幼児期の体の育て方は、正しい姿勢と呼吸、立つ・歩く・座るなどの基本動作が呼吸と連動して行われ習慣を喪につける事が大事です。

 足裏や舌の筋肉を強くすることも正しい呼吸や姿勢を身につける具体的な教育となります。 未来に社会の担い手となる子どもたちが、幼い時から育てるべき一番の資本は健康な身体です。社会で守る子どもの健康は社会全体で育てていくことが望まれています。

参考図書:「人生が変わる!足指スローストレッチ」西川岳儀著

      

一般社団法人日本ピルビスワーク協会では

姿勢や呼吸からの乳幼児期の体の育て方に

感心のある方、興味のある方、悩みのある方を対象とした

オープンセミナーを実施しています。