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骨盤と妊娠力

ーコウノトリ運動ー

楽で合理的な現代のライフスタイルによりからだの機能は使いこなせなくなり、姿勢や動作の自由を妨げて、知らぬ間に月経困難や妊娠し辛いからだへと深刻化しています。

 現代に生きる女性は、肉体的ストレスと精神的ストレスの影響で骨盤周囲の筋肉の動きが弱く、卵巣子宮周囲の血流が悪くなり妊娠しづらい体質へと傾いています。さらに栄養障害と機能不全による、不妊、低体重児、難産、産後のうつなどが社会的な問題となっています。予防と改善のためには日常生活に骨盤運動を取り入れることは効果が高く、基礎代謝を上げて全身の活力を高めることが期待できます。

 さらに、妊娠中の骨盤運動は、子宮の位置を安定させて胎児への栄養も届きやすく、妊娠後期の母体のストレスや出産時のダメージを軽減してくれます。そして産後は特に骨盤運動により骨盤底筋群や骨盤の歪みを修復することが、体型や体力を出産前より充実することに役立ちます。

 

妊娠しやすいからだの環境を整え、安産の為の身体を作ることは、出産後の育児にも役立ちます

 

 お産が順調に行けば、産後の回復もよいことが見込め、退院時にも体力的、精神的に余裕を持って育児に臨めるからです。高齢出産のママからは、「妊娠と出産で燃え尽きてしまい、その後の育児はヘトヘトの状態で始まった」という声を聞くことがよくあります。そうした状況に陥ることのないように、骨盤運動で産めるからだづくりに取り組んで行きます。

 

 妊娠適齢期の女性と、その家族のために妊娠・出産についての身体の状態、特に骨盤と子宮の変化を把握し、その変化に応じたピルビスワークの処方と的確な指導を目指します。

骨盤の構造と歪みの正体

 骨盤は、仙骨・腸骨・恥骨・座骨という骨が寄木細工のように組み合わさって形成されています。(腸骨・恥骨・座骨を合わせて寛骨とも言います。)それぞれは独立した骨のため、骨と骨の間にはわずかなすき間があり、そのすき間が私たちが呼吸をするたびに、目に見えないぐらいの幅で緩んだり締まったりを繰り返しています。

 なぜこのように骨が動く構造をしているかというと、急な姿勢の変化や、外からの衝撃・圧力を緩和させるためです。

 骨は少しづつ動く性質を持っているため、日常の姿勢や動作のくせによって、動きの偏りが起こり、その影響で腰の高さに左右差が出ます。これを「歪み」と一般的には表現しています。

 

 体はすべてつながっているので、体の中心に位置する骨盤の傾きに左右差が出来れば、脚の長さも多少変わりますし、背骨も側弯したり、肩の高さも変わります。鏡に向かってまっすぐ立つと、必ずどちらか一方の肩が上がっているはずです。

 体の土台の骨の位置が少しずつずれると、筋肉は骨を元の位置に戻そうとして緊張して固くなります。筋肉の緊張が強くなると、筋収縮が起こりづらくなるため、血管が揉まれず血流が悪くなります。血流が悪くなると体は冷え、冷えた体を温めようと脂肪を蓄えます。

 わずかな骨の歪みが知らずうちに全身に影響与え、体型の崩れや、血流不足から体調不良を引き起こしていることがあるのはこのためです。

 

 

 特にアスリートではなく、運動習慣が無い一般女性の場合は、女性ホルモンの影響で筋肉が柔らかく、男性に比べて量が少ないので筋肉を収縮させることによる血液循環を起こすことがなかなかできないません。そのため体が冷えやすく、低体温や基礎代謝の著しい低下を訴える方が少なくありません。

 また、女性の場合は骨盤の中に大腸・小腸・膀胱・子宮・卵巣と重要な臓器が多く位置しています。女性の小さな骨格の中に多くの臓器が収まっているので、骨盤の中は臓器でひしめき合っている状態。

 中でも女性にとって一番大切な臓器である、子宮は恥骨の上、卵巣は股関節の上にあるので、臓器の最下部にあります。座ったままの姿勢や猫背の姿勢が続くと、他の臓器と共に皮下脂肪も上から圧迫してくるため、骨盤内の子宮や卵巣への血流は滞りがちに。血液が不足すると、子宮・卵巣周辺が貧血状態になるため、排卵痛や月経痛の原因になったりもします。

 そのため、女性が妊娠力を高めるためには、骨盤を意識的に動かす運動や生活習慣がとても大切です。

骨盤を大きく動かすと、骨盤を支えている大腰筋や腸骨筋という筋肉がたくさん動かされるため、そこに血液が集まり、子宮、卵巣へも血液がたくさん届くようになります。

 妊娠力が上がるだけでなく、冷え、むくみ、肩こり、便秘、頭痛の改善などの不定愁訴の改善も期待でき、気持ちも前向きになっていく方が多いのが骨盤を動かす運動の特徴です。

​女性の骨盤は特に注意

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